あるモノに対して、人が共通した行動をしてしまうということは多々ある。
適度な段差があれば椅子代わりに座ってしまうのもその一例だろう。
そのような経験上の行動を利用するという方法がある。
電車の横並びの座席には、人がキチンと座れるような工夫がしてあるのをご存知だろうか。
この工夫がされるまでは、7人掛けの席に人が5〜6人程度しか座れなかったそうだ。
以下にその方法を記載する。
【座席】
◯◯◯◯◯◯◯
※◯は空席、●は人が座っていると考える。
人は、まず一番端の席を取って座ろうとする性質があるので、まず先に埋まるのは両端の座席である。
●◯◯◯◯◯●
次に、人は中央あたり(▽部分)、実際は両端から離れた位置に座ろうとする。
●◯▽▽▽◯●
この3人目に座る人がキーポイントとなる。
つまり、この人が正確な中央を認識できれば7人掛けとなり、
●◯◯●◯◯●
逆に中途半端な位置に座れば7人座れなくなってしまう。
そこで、この真ん中の席の色だけ変えた。
すると、人が真ん中の席を自然と認識し、7人掛けが機能するようになったそうだ。
これだけシンプルな対策で、自然な誘導を促すので、最初に考えた方は素晴らしいと思う。
※最近の電車は豪華で4人と3人の部分に切れ目が入り、手すりのようなポールが立っていたり、一個一個の席に切れ目が入っていたり、マークがあったりする。
このように人の自然な動きに合わせて、デザインをすることにより、自然と本来の機能を生かすことができる。
ドアや引き戸の違いなども、いい例である。
ドアノブは握って回すという形状であり、引き戸の取っ手は横にスライドするのを促すデザインである。
もし、引き戸にもかかわらずドアノブが付いていれば、下記の動画のようになってしまう。
※3:37あたりをご覧ください。
出典:YouTube
(つづく)
参考文献:誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)

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