使いやすくするために、もう一つ考えられるのは、情報を制限することである。
無駄な情報は削ってしまい、その時点で必要な情報だけを表示すれば、人は迷うことはないだろう。
前回のファミコンのコントローラでいえば、使用頻度が少ないスタートボタン・セレクトボタンが他のボタンに比べて小さいのは良い例である。
また、多機能リモコンの場合、使用頻度の低いボタンは隠してしまってもよい。
情報の制限という意味で、地下鉄の案内図を見てみよう。
複雑に張り巡らされた地下鉄は複雑で、地下であるため外の景色は見えず、ランドマークもない中、乗り換えを行う乗車客をうまく誘導しなければならない。また、地上と地下との対応づけを行わなければならない。
地下鉄は、乗車客がいる場所によって、適切な情報を与えることによって乗客をうまく誘導している。
ホームを降りると、まず以下のような案内図がある。

ここで重要なのは、自分がいまどこにいて、目的地へ行くためには、どの方向へ行けばよいのかという情報だ。
また、代表的な建物(ランドマーク)と出口を対応させていることにも注目していただきたい。
例えば、自分の向かうべき建物がD2出口だとすると、あとはD2出口だけを目指せばよい。
乗り換えの際は、何線に乗り換えれば良いかだけなので、もっと簡単である。

歩いていくと、方角指示がある。
先程の案内図で、出口番号を覚えているので、あとはこの表示に従って歩けばよいだけである。
ここでは、ランドマークとの対応はなく、出口番号と路線名の案内しかないことに注目。

地上出口に近づくにつれて、ようやく地上地図が現れ、地上との対応づけがなされる。

出口付近の案内図は、最終確認となる。
また、地上に上がれば、出口付近に地上地図が掲示されているので、自分のいる位置を把握しやすい。
もし、地下鉄でホームを降りた際に、いきなり外の地図がでていたらどうだろう。
適切な場所で適切な情報を発信しなければ、人は迷ってしまうだろう。
(つづく)
参考文献:誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)

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